DeNA筒香も指摘 生徒と専門家に聞いた中高部活のおかしさ
勝利至上主義の高校野球の仕組みは、いかがなものか――。DeNAの筒香嘉智が高校野球のあり方について提言したことが波紋を広げている。勝利を優先するあまり、将来のある高校生がケガをしたり、サポートする親の負担が重過ぎたりする少年野球の環境を批判する内容だった。
トップ選手の発言は重く、野球に限らず部活のあり方を問う声が大きくなってきている。早稲田大学スポーツ科学学術院の中澤篤史准教授は、「その大きな契機となったのが、2012年末に起こった大阪市立桜宮高校の生徒の自殺事件だった」として、こう続ける。
「あの事件では部活顧問の男性教諭が厳しい指導や体罰を繰り返したことで、生徒が自殺に追い込まれました。それ以降、部活内での暴力や事故によって命を落としている子どもたちがいることが、問題視されるようになっているのです」
中学生で部活(運動部・文化部)に所属している生徒は約89%、高校では約76%(スポーツ庁「平成29年度運動部活動等に関する実態調査」から)。多くの中高生が部活に励む中、苦しさを感じている生徒も少なくない。実際に声を拾ってみると……。