「踊るうどん永木」の官能を引き継ぎ 3代目の使命感と愛
愛媛県松山市三津浜にある、踊るうどん永木。1998年に初代の大将・永木さんが24歳で立ち上げ、現在まで3代にわたって継承されている。開店の翌年に初めてうかがって以来、さまざまなドラマを見せてもらってきた。
初代は折からのうどんブームの最中に地元・松山で最高のうどんを提供したいと志し、讃岐の丸亀に移住して自分の進むべき方向を探り始めた。あちこちに足を運んで食べ比べる中で、讃岐うどんの看板の上にあぐらをかいた、まずい「死んだ」うどんも多く存在することに気づく。
自分が実験的に打っているうどんの方が生き生きと踊っていると確信して、早々に松山で看板を掲げた。讃岐よりもかなり加水率が高く、しなやかで官能的なうどんは評判となり、多くのファンが詰めかけるようになった。しかし慢心はせず、壁にぶち当たった時はお遍路に出て、うどんを作る全ての行程に感謝の気持ちを込めることが大事だと気づいた。