カトープレジャーグループ加藤友康社長「心得帖」シリーズにすべての答えがあった
近大卒業と同時に家業を継承、周りは壁ばかりで…
五輪イヤーの今年は、訪日外国人観光客が3600万人に上るという。レジャー業界はもちろん、あらゆる業界がインバウンド需要の取り込みに沸いている。そんな中、今回登場のカトープレジャーグループ・加藤友康社長(54)は、近大を卒業した1987年、父が起こした事業を引き継いで社長に就任。今やホテルや旅館、リゾート、スパ、レストランなどを幅広く手掛け、年商200億円を超える大企業に成長させた。敏腕経営者が頼りにしたのは、経営の神様の教えだった――。
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「父が創業した『加藤商事』は洋服屋で、近畿大学在学中から家業の手伝いをしていましたから、仕事のやり方はなんとなく父の背中を見て把握していたつもりです。ところが、父が早くに亡くなり、いざ事業を受け継ぐことになると、具体的なノウハウがなかった。ここ10年で日本にもベンチャー企業ができてきて、20代の社長は珍しくなくなりましたが、バブル真っ盛りの89年に20代社長はいなかった。困りましたよ。それで、本を読み漁って、心にスッと入ってきたのが、松下幸之助さんの『心得帖』シリーズです」