イルカがいなくなる?コロナに加えて水族館を悩ませる問題
コロナ禍で全国のテーマパークや遊園地が休園を余儀なくされている。水族館も、新江ノ島水族館や沖縄美ら海水族館などが期間限定で休館中だ。新型コロナウイルスの感染拡大はいずれ収まる可能性もあるが、さらに水族館にとって頭の痛い問題が……それは〈イルカがいなくなるかもしれない〉ということらしい。どういうことか?
今年1月に設立された一般社団法人「日本水族館協会(JAA)」事務局の挾間雅行氏はこう言う。
「話は2004年にさかのぼります。世界の水族館が加盟する世界動物園水族館協会(WAZA)という団体が、総会で〈追い込み漁により捕獲されたイルカを受け入れてはならない〉という決議を一方的に採択しました。日本側の日本動物園水族館協会(JAZA)はその不当性を訴え、妥協案を提案するなどしたんですが、反発しすぎると海外から希少な動物を手に入れられなくなるため、やむなく2015年5月から会員施設の追い込み漁でのイルカ導入を禁止。日本の水族館のほとんどが和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカを購入していたので、事実上、新しいイルカを手に入れられなくなっているのです」