武漢の新型コロナウイルスと欧州のものはやはり違う
3月24日ごろに、東京都を中心に感染率が急に高くなったのはなぜだろう。
実は、2009年にメキシコで新型インフルエンザが大流行してパンデミックになったことがあったが、当時、私はこの感染地帯のど真ん中にいた。もちろん取材である。メキシコに支社のある新聞社の記者が、社屋から一歩も出ないほどウイルスの感染爆発が恐れられていた。それなのになぜメキシコに行ったかというと、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の医師から、タミフルに予防効果があることと、致死率がそれほど高くないことを聞いていたからである。
今も覚えているのは、感染病棟の医師から「発生初期からウイルスの毒性が強くなっている」と聞いたことだ。当時は感染が広がってまだ2カ月ほどで、こんな短時間でウイルスが変異するのかと驚いた記憶がある。それを思い出した時、新型コロナウイルスが現れてもう4カ月以上経過したのに、ウイルスは変異していないのだろうかと思ったのだ。
■非常に突然変異しやすい特性