通勤途中にいつでも「コロナ検査」国が全額負担し民間委託
スウェーデンはコロナ禍を低いレベルに抑え込み国民に安心感を与えている。それはデータが教えるだけでなく、集団免疫の達成と、だれもが無料で抗体検査を受けられ、自分の状態を把握できるからだと思う。
ストックホルムで達成されたという集団免疫に関していえば、その経緯を簡単にたどると、こういうことになる。7月半ば、スウェーデンのカロリンスカ研究所で、200人に血液検査した結果、感染者の大半に強いT細胞反応が見られた。この検査には日本人の研究者も参加した。
T細胞は、新型コロナウイルスが体内に侵入すると、過去に感染した風邪のコロナウイルスの免疫記憶が呼び起こされ、新型コロナウイルスを即座に認識し、攻撃するという。このT細胞による免疫と、抗体による免疫を合わせて、ストックホルムでは4割の人間が抗体免疫を持つというデータを得た。
これによってストックホルムでは集団免疫が獲得されたとみられているのだ。
PCR検査と抗体検査は当初、感染の疑いのある者に限定されていたが、6月になって一気に拡大された。地元の保健所ばかりでなく、私立のオンライン病院にも抗体検査を委託するようになったからだ。検査は保健所と同じく予約制で無料。受検者1人当たりの費用を県が全額負担するのである。