主人はミシュラン一つ星「神楽坂くろす」 女将黒須ゆきこさんの巻<2>
tante buone(東京・神楽坂)
たまにはランチタイムをゆっくりと。そんなふうに思うこと、時々、ありますよね。ランチに落ち着いてパスタが食べたくなってうかがうのがこちら。タンテボーネさんです。
飯田橋駅からは、神楽坂通りの坂を上がって本多横丁を右へ。バー・フィンガルさんを越えてすぐの右手です。
平日は、パスタランチ(1200円)とメインを楽しむセコンドランチ(1600円)の2つ。どちらもプリフィクススタイルで、パスタは4、5種類から、メインは肉と魚から選びます。共通のアンティパストも、サラダと前菜盛り合わせからチョイス。
飲み物の中には、コーヒーやジンジャーエールなどのソフトドリンクのほか、白と赤のワイン、生ビールもあります。料理もドリンクもプラス料金なしで楽しめるのですから、ランチのプチごほうびにもってこいでしょう。
イメージは白亜の町アルベロベッロ
先日、お邪魔したときは、年配の男性が本を読みながらパスタを召し上がっていました。そこに来られた女性は、セコンドランチをオーダー。この日は、魚がイサキのアクアパッツァで、肉が牛肩ロースのタリアータ。慣れた様子でイサキを注文されました。
イタリアンが定着したとはいえ、年配の方がふらっとパスタやアクアパッツァをいただきに訪れることはあまりないでしょう。でも、お2人ともとても馴染んでいるのです。まるでイタリアのオステリアにいるような雰囲気を味わえます。
白を基調とした内装は清潔感があって、爽やかな雰囲気。世界遺産になっているイタリアの白亜の町アルベロベッロのイメージというと、言い過ぎでしょうが、カジュアルな感じで手の込んだイタリア料理をいただけるのがいい。
アーリオオーリオはアサリとムール貝たっぷり
私は、アサリとムール貝のアーリオオーリオスパゲティとキノコのボロネーゼの2つで迷い、アーリオオーリオに。出来上がりまでは、ボウルにたっぷりのサラダをいただきます。写真の通り、彩りもよく、レタスやトレビス、キュウリなど種類も豊富で、ビネガーが利いてサッパリと胃に収まるんです。
お待ちかねのアーリオオーリオは、アサリとムール貝がこれまたたっぷり。おいしい食材を惜しみなく提供してくれるのは、店名のタンテ(たっぷり)ボーネ(いいもの)の神髄なのでしょう。シェフのご主人とホールを担当する奥さまの人柄もよく、リッチな気分になれるランチです。
週末は、パスタとセコンドを組み合わせたコースがありますから、優雅なブランチにいかがでしょうか。
(取材協力・キイストン)
■tante buone
東京都新宿区神楽坂3―1 キクシマビル1階
℡03・5946・8300
▽神楽坂くろす 日本料理の伝統をしっかりと踏まえつつ、ときに自由に。主人の黒須浩之氏は、現ハイアットリージェンシーやザ・リッツ・カールトン東京などで腕を磨く。リッツの日本料理店「ひのきざか」は2008年から3年連続で「ミシュランガイド東京」1つ星を獲得。12年1月に開店。
▽くろす・ゆきこ 神楽坂くろすの女将。女将になる前は銀行で働く。好きな食べ物はイタリアンや肉料理。