<31>編集者が恐れる柴田錬三郎に「小説で食えますか?」

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 高輪プリンスホテルを定宿とし、仕事場としても使っていた柴田錬三郎は、ほとんど笑顔を見せなかった。表情を崩さず「フォフォフォ」と声を発するのが、普通の人の「アハハ」と同じ。感情の起伏が表に出ないから、とっつきにくいと思われていた。原稿を取りに来ている編集者たちは、いつも緊張した面持ちで待機していたという。

「いつのことだったか『どうも自分は怖がられている』って言い出したことがあって、『先生、それはね、あおんって、いつも口をへの字にしているからですよ。あの顔は怖いですよ』って言ったんだよね。俺、平気だから。でも、周りにいた編集者は、なんてことを言うんだって驚いたみたいで、みんなビンッて立ち上がって気をつけしちゃった。それぐらい恐れられてたんだよな」

 柴田は1951(昭和26)年下期に「イエスの裔」で直木賞を受賞。66(昭和41)年からは同賞の選考委員を務めていた。その選考の過程でも、受賞作に対して厳しい意見をぶつけている。

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