評価が高いのは神戸市 自治体の新型コロナ情報開示通信簿

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 東京都が新型コロナウイルスの警戒レベルを4段階で最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げた。通勤中に自分の住んでいる地域の感染者数をスマホなどでチェックしている人は多いだろうが、自治体によってサイトの使い勝手の差は歴然。ダメな自治体、やる気のある自治体はどこか?

 ◇  ◇  ◇

 同じ新型コロナ情報を提供するにしても、自治体の力の入れ方で情報量は玉石混交。国を挙げてデジタル化を推進しているが、途中で見るのをやめたくなる自治体サイトもある。

 新型コロナ感染者数の特設サイトで評価が高いのが、東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」。その日に判明した感染者数や入院者数、陽性率などの各種データが過不足なく網羅されている。ただし、タイムラグやデータが都内全体の数値であったりするなど、より身近な情報を知るには不便さを感じてしまう(23区別のデータなどは別ページにある)。

 そこで主な都市の新型コロナ情報サイトの優劣を検証してみよう。

「サイトの評価基準には『アクセスのしやすさ』『使いやすさ』『内容の役立ち度』などがあります。飲食店舗や通販サイトはサイトの見やすさや使い勝手が売り上げにモロに直結します。私たちが今、新型コロナ情報で知りたいのは『その日の感染者数』や『増えたか減ったのか』『どういう属性の人が感染しているか』などでしょう。スマホ操作で見ている人も多く、情報があり過ぎても使い勝手は悪くなる。パッと開いて、一番知りたい情報がトップに来るのがいいでしょう」(ジャーナリスト・中森勇人氏)

 スポーツ紙を開いて巨人ソフトバンクのどちらが勝ったのかすぐにわからなければ、たとえ他の情報量が豊富であっても読みにくいもの。情報とは、増やし過ぎず、それでいて過不足なくまとめられているのがいい。

■東京23区はあまり頼りにならない

 まずは、最も残念なサイトの自治体はどこか? 評価ポイントが低かったのは「福岡市」。累計陽性者数自体が少ないのもあるのだろうが、すぐに日別陽性者数が分からず、他の自治体より情報への熱量が伝わってこない。もちろん、他のページで情報はわかるのだが、もう1回、ファイルを開いたり、別のページに飛ぶのは苦痛になる。

 同じく残念なのは「東京23区」。人口最多の世田谷区を例に取ると、東京都全体で集計を取っているため、都と数字が違っていたり、公表までにタイムラグがある。また他の自治体にはある陽性者の属性、感染までの経緯の詳細もない。もしかしたら別のページにあるかもしれないが、トップページからは存在自体が分からないので、使い勝手が悪いといっていいだろう。例えば、札幌市の場合、「年代、性別、居住地、職業、発症日、陽性確定日、現状(入院中など)」などが分かる。人権への配慮も大事だが、陽性者数や入院者数といった数字の羅列のみでは、区民はどこでどう感染に警戒すればいいのか対策の立てようがない。横浜市は、クラスター発生をヘッドラインで知らせている。

神戸市は情報を詰め込みすぎていない

 一方、やる気のある自治体は「札幌市」「神戸市」だ。札幌市は陽性者数に「PCR検査」のほか、「抗原検査」の結果も併記してあり、検査数や陽性率などもすぐに分かる。惜しいのは、色使いが黒と青の2色のみである点。見やすさにも配慮が欲しいところだ。

 神戸市は全体的に評価が高い。情報を詰め込み過ぎず、トップ画面に「直近7日間の新規患者数(1日単位ではない)」「先週比」「人口10万人あたり患者数」「陽性率」があり、その下には「入院(中等症以下、重症)」「死亡数」などが簡潔にまとめられている。

「サイトの立ち上げの際からマイナーチェンジを繰り返し、見やすい情報を意識しています。情報は毎日2回更新しており、午後2時には陽性者数などの数字が変わります。陽性者数に関しては、前日正午から当日正午まで24時間の検査結果が対象で、速報性も重視しています。これからも見やすくできるよう工夫を重ねます」(神戸市の担当者)

 単なる新型コロナ情報サイトに過ぎないという人もいるだろうが、見やすいというのは住民サービスとしても重要。市民への思いが伝わってくる。

ダントツの情報量はNHK「特設サイト」

 自治体のほかにも、新型コロナに対する役立つ情報サイトが続々と立ち上がっている。

 中でも、ダントツの情報量と見やすさを誇るのが、NHK「特設サイト 新型コロナウイルス」だ。「ニュースを見る」「データで見る」「知っておきたい(知識・情報)」の項目があり、県別感染者数も日本地図を使って分かりやすい。自治体サイトにはない、写真もふんだんに使われていて、見やすくしようという努力が伝わる。また、ワクチン開発や外国人入国制限のニュース、Q&A形式の感染症対策などひと通りの情報が網羅されている。地域別の情報には弱いが、日本全体の感染状況を知りたい人は、お気に入りに登録しておくといいだろう。

「coromap」は名前の通り、コロナの感染者数やエリアが一目瞭然。更新頻度がもっと増えたらより便利だ。

 世界の感染状況を知りたい人は日本経済新聞の「新型コロナウイルス感染 世界マップ」がおすすめ。ヨーロッパで異常に感染者数が増えているのがわかる。

 いずれにせよ、各自治体のサイト運営担当者はNHKなどを参考にするといいだろう。

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