大阪の医療崩壊めぐり枝野vs吉村バトル 正しいのはどっち

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 16日、新型コロナウイルスの累計死者数が東京都を抜いて全国最多となった大阪府。17日も23人増えて、死者数は全国最多の1981人に上る。

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 大阪では変異株による「第4波」の流行で、死者数が急増。前回の緊急事態宣言解除後の3月は67人、4月は272人、5月は17日時点で、すでに525人と月別で初めて500人超えだ。

 世界保健機関(WHO)の調査を基に「札幌医大フロンティア研ゲノム医科学」が公開したデータ(16日時点)によると、大阪府の直近7日間の死者数は人口100万人当たり27.6人。全国が同5.0人で、東京都が同2.4人だから、いかに大阪が突出しているかが分かる。

 ここで改めて気になるのが、大阪府の吉村洋文知事vs立憲民主党の枝野幸男代表のバトルだ。枝野氏は10日、衆院予算委員会で「2回目の緊急事態宣言の際、大阪府知事がいち早く解除を求めた。そしたら、さっさと第4波が来て、医療崩壊した。解除された3月1日、重症病床の確保数215床を3割減らして、150床に縮小するという通知を病院に出している。一番悪いのは大阪府知事。こういう無責任な知事もいる」と痛烈に批判。

 これに対し、吉村知事は「病床には確保病床と運用病床がある。患者が減ったので実運用病床は減らしたが、確保病床は224床のまま。あたかも確保病床を減らしたかのような指摘だが、それはまったくの事実誤認ということは指摘しておきたい」と、反論した。

18人が治療を受けられないまま死亡

 いったい、どっちの言い分が正しいのか。府は緊急事態宣言の解除を受け、フェーズ4(重症病床215床)からフェーズ3(同150床)に切り替えた。府健康医療部の担当者がこう説明する。

「確保病床は、各病院がフェーズごとに『何床確保します』と事前に申請した病床数の積み上げです。計画上の数字は変えていなくて、フェーズごとに運用してもらっています。3月1日の時点で、各病院に『フェーズ4からフェーズ3に移行します』という通知を出しました。フェーズを落とすので『各医療機関も順次、フェーズ3の運用数に戻してください』ということです。通知したからといって一気に減るものでもなく、フェーズ3の体制確保のお願いをしました」

 つまり、枝野氏の「確保数を3割減らせ」という言い方は正しくないものの、吉村知事の「確保病床は224床のまま」という反論は詭弁に過ぎない。224床の病床を確保していたといっても、府の「フェーズ3移行」の通知により、4月上旬の時点で実際に運用できる病床は約150床まで減った。そのうえ、吉村知事は今春、30床増設する予定だった「大阪コロナ重症センター」の2期計画もほったらかしにしている。

 府内では現在も、1万4526人が自宅や宿泊施設での待機を余儀なくされ、病院で治療を受けられず、第4波で18人の感染者が入院待機中に命を落としている。感染爆発を予想できなかった原因を変異株のせいにして、医療崩壊を招いた吉村知事の責任は重大だ。

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