なぜ「パ・リーグTV」見放題があって「セ・リーグTV」はないの?
【Q】パ・リーグファンに人気のインターネットチャンネル「パ・リーグTV」。加入すればパ6球団の試合が見放題とあって、人気を博している。しかし、セの全試合が見られるプラットフォームはなく、同様に12球団の統一チャンネルもない。メジャーは30球団の試合が視聴できる「MLB.tv」があるが、なぜ日本には同様のサービスがないのか。
【A】理由は、セ・リーグとパ・リーグでは、球団経営の考え方と仕組みが違うからです。パ・リーグがいまのようなネット配信モデルを実現できたのは、2004年の球界再編がきっかけです。「このままじゃパは消えてしまうかもしれない」という危機感から、6球団が「一緒にやっていこう」と手を組んで、07年にパ・リーグ6球団が共同出資で「パシフィックリーグマーケティング(PLM)」という会社をつくりました。アメリカのMLBが運営する総合プラットフォーム「MLB.com」をモデルにしています。
まず取り組んだのは、各球団それぞれが運営していたインターネットサービスのシステムを統合することです。これで年間数億円の経費が浮き、各球団、共同事業のメリットを実感できました。そして12年、満を持してスタートしたのが「パ・リーグTV」です。今では当たり前のようにネットでプロ野球を見られますが、当時はテレビ局が試合映像の権利を持っていて、球団が自由に使えない状態でした。それをパの6球団が交渉して自分たちの手に取り戻したのです。その結果、全試合のライブ中継、ハイライト動画、過去の名シーンのアーカイブも、自由に提供できるようになりました。