「天然温泉ザ・グランドスパ南大門」で年齢を忘れてはしゃいでとろ~ん
天然温泉ザ・グランドスパ南大門(栃木・宇都宮)
GW前に出張で栃木に行ったついでに「あしかがフラワーパーク」まで足を延ばした。名物・藤の花が目当てで、樹齢160年、広さ600畳に及ぶ大藤棚は圧巻。午後5時30分からのライトアップでは、映画「アバター」のエイワの木のような幻想的な光景に心を奪われてしまった。
この原稿が掲載される今は、国内では珍しいきばな藤が見頃後半で、バラが最盛期だそうだ。咲き誇る花で四季を感じるのもオツだろう。
さて、花よりダンゴの前にもうひとつ。サウナだ。JR宇都宮駅西口から県庁前通りを西に歩いて8分ほどの「ザ・グランドスパ南大門」だ。
フロントで90分のショートコース料金770円を支払い、タオルセットを受け取る。ちなみに日帰りは1980円(土日祝は2200円)で、宿泊は3520円~。
男湯の脱衣場には、地元の人らしい年配に交じって若者の姿もちらほらと。平日の夜にして盛況だが、とにかく広く、密は気にならない。
■すべて天然温泉。プーロ、水風呂で泳ぐ
湯は、本場韓国の高麗人参を浮かべた人参湯や肌触りが滑らかな美白の湯、さらに大人も泳げる縦12メートル×横4.5メートルの温水“プーロ”! 炭酸泉、源泉掛け流しの露天風呂3種と種類が豊富。すべて地下1200メートルから湧出した天然温泉だ。
どこから攻めようか……。運よくプーロが空いていて、56歳の年齢を忘れて泳いでしまった。温泉で泳げるなんて。ここ、楽しいぞ。
温泉にひとしきり漬かったところで、いざサウナへ。サウナ材としては最高級のアバチ材造りのグランドサウナは北関東最大級で、大型ストーブが2台。105度の高温ゾーンと80度の中温ゾーンに分かれていて、コロナ禍でなければ50人は収容可能だ。
その広さで高温でも快適な熱さ。室内のテレビを見ながら、ボーッとしているとじわじわと汗だくになってくる。
15分ほど踏ん張って、水風呂で体を締める。水深120センチ、水温15度。肌を刺す冷たさが火照った体に心地よく、気分がとろ~ん。この浴槽も大きく、関東一の広さと深さ。ここでも軽く泳いでから、別のサウナに挑戦した。室温50度。アロマの薬効成分を抽出させたスチームサウナは、まさに癒やしの極楽だ。
ココ南大門には、熱波師・ドラゴン相澤氏が所属。その大ウチワで激アツ熱波を頂戴したかったが、今はあいにくイベント時のみ。残念。イベントの有無はHPでチェックできる。
宇都宮のソウルフードもんじ焼きに大満足
出張疲れか、泳いではしゃいだせいか、この日は2セットでバッチリととのって、南大門を後にした。喉カラッカラのまま県庁前通りをさらに西へ5分ほど。「へのへのもへじ」と書かれた愛らしい猫の絵の看板が目に留まった。サウナのスタッフいわく、「もんじ焼きがウマい」。
「いらっしゃ~い」と笑顔のママは、カウンターの客と話しながら、4席のテーブル客にも対応する。一見客への気配りも抜かりない。
席に座るや、まずは生ビール(550円)。ジョッキをゴクゴクあおると、琥珀色の液体が細胞に吸い込まれていく。ところでもんじ焼き(300円)って?
「水で溶いて味つけした小麦粉の汁に具を加えたものを鉄板で焼くんですよ。宇都宮のソウルフード。もんじゃ焼きと違って、土手がいらないから簡単ですよ」
21種類のトッピングからサラミ、桜エビ(各60円)、ベビースター(50円)をチョイス。鉄板の生地をコテでカリカリやってパクリ。ソースの辛みも食をそそり、何より楽しい。子供時分に戻れる一品に、ととのった後も大満足の夜だった。
(イラスト・文=太田由紀)
■天然温泉ザ・グランドスパ南大門
(住)栃木県宇都宮市今泉3-2-18
(℡)028・622・1126
(営)年中無休/午前10~翌午前9時
■「へのへのもへじ」
(住)栃木県宇都宮市東塙田1-1-10
(℡)028・622・8606
(営)午後4~10時(9時半LO)定休月・火曜