【ゴーヤー丸ごとパスタ】「えっ、ワタと種を捨てちゃうの?」
夏野菜の代表格、ゴーヤーを買った。近所のスーパーで1本228円。定番のチャンプルーをつくろうと、ゴーヤーを縦半分に切り、ワタと種をスプーンですくい取ったら……ふとここで、宮崎県出身の古い友人の言葉を思い出した。
「えっ、ワタと種を捨てちゃうの!?」
宮崎県はゴーヤーの生産量が全国2位。少なくとも友人の実家では、
「ワタも種も食べていたよ。捨てるなんてもったいない。ワタは火を通せば、トロトロのナスのような食感でおいしい。スープに入れたり、天ぷらにしたり。味噌汁の具としてもよく出てきたな。種はワタごと油で素揚げして塩を振れば、カリカリと香ばしくほんのり苦みがあってビールに合う最高のツマミになるんだから。いや、ほんと、もったいないよ」
と、言うのである。
調べてみると、ワタや種には苦みが少なく、カリウムやビタミンC、食物繊維が豊富だとか。確かにこれは、捨ててはもったいない。
スープの具やビールのお供にするのももちろんいいが、料理の仕方によっては立派なごちそうにもなる。教えてくれたのは、宮崎市の人気イタリアンカフェ「クアトロ」の松尾武成さんだ。
「ゴーヤーを丸ごと、ワタも種もつかったレシピです。エビのクリームパスタに薄くスライスして揚げたゴーヤーチップスとワタと種の素揚げを合わせました。定番のペペロンチーノに合わせてもいいですが、クリームソースにゴーヤーのほのかな苦みがよく合います」
ゴーヤーチップスは十分に塩もみしたあとに水分をギュッと絞って揚げているからか、えぐみがない。あの独特の苦みが苦手な人もいけるのではないか。ワタは確かにナスのようなトロリとした食感で、カリッと香ばしい種もクセになる。ビールのツマミに最高! と言っていた友人の言葉に偽りはなかった。
(日刊ゲンダイ編集部)
【材料】
・パスタ…85グラム
・ゴーヤー…5分の1本
・エビ(ブラックタイガー)…3匹
・トビコ…20グラム
・粉チーズ…10グラム
・バター…15グラム
※ソース
・白ワイン…15㏄
・昆布だし…90㏄
・生クリーム…60グラム
・白コショウ…少々
【作り方】
(1)ゴーヤーを厚さ3ミリにスライスし、塩もみする。10分後、水気をしっかり絞り、片栗粉をまぶしたら170度の油でほんのり色づく程度に揚げる。
(2)ゴーヤーの身からスプーンですくい取ったワタと種は180度の油で20秒ほど素揚げする(写真①②)。
(3)パスタを茹でている間にソースをつくる。ソースの材料をフライパンに入れ、ぶつ切りにしたエビを加えたら、白ワインのアルコールを飛ばすまで強めの弱火で火を入れる。エビに火が通ったら、パスタの湯で汁を30㏄加える。
(4)麺が茹で上がる2分前に③にバターを加え、火を止める。
(5)火を止めたフライパンにパスタを投入。粉チーズを3回くらいに分けながらパスタに絡める。
(6)最後にトビコを加えて絡め、①のゴーヤーチップス、②のワタと種の素揚げをパスタの上に盛り付けて完成。