旧統一教会にとって政治家や芸能人は“広告塔”…「隠れ信者」という言い方で会員扱いに
「動画を見て安倍元首相と団体(旧統一教会)につながりがあると思い、絶対に殺さなければいけないと確信した」
安倍晋三元首相を銃撃し、逮捕された山上徹也容疑者(41)は、インターネットに投稿された動画を見て犯行を決断した。昨年9月、安倍氏が統一教会の創始者・文鮮明と妻の韓鶴子現総裁が設立した団体「天宙平和連合」(UPF)のオンライン集会に寄せたビデオメッセージだった。安倍氏は「総裁はじめ、皆さまに敬意を表します」と持ち上げ、このオンライン集会には米国のトランプ前大統領もメッセージを送っていた。
「全国霊感商法対策弁護士連絡会」代表の山口広弁護士は12日の記者会見で、「統一教会の社会悪を考えれば、反社会的団体にエールを送るような行為をやめていただきたいと、安倍元首相や他の政治家に何回もお願いした。どんなに被害者が苦しむのか、絶望するのか、それによって新たな被害者が生まれかねない」と訴えた。
旧統一教会にとって、著名人は信者勧誘のための重要な役割を担っていた。旧統一教会の集会や式典に政治家が出席したり、祝電を打ってくれれば、「問題のない団体」とお墨付きをもらえることになる。安倍氏は内閣官房長官だった2006年にも、UPFの行事に祝電を打っている。