著者のコラム一覧
藤倉善郎ジャーナリスト

1974年、東京都生まれ。カルト問題を20年以上にわたり取材。2009年にニュースサイト「やや日刊カルト新聞」を創刊し、総裁就任。著書に「『カルト宗教』取材したらこうだった」など。「徹底検証 日本の右傾化」(塚田穂高編著)、「だから知ってほしい『宗教2世』問題」「陰謀論と排外主義~分断社会を読み解く7つの視点~」などの共著も多数などの共著も多数。

成田でミイラ事件を起こした「ライフスペース」の今…「定説」の教祖は死去、元信者は別団体で活動中

公開日: 更新日:

 1999年11月に千葉県成田市のホテルで発生した“ミイラ事件”を覚えているだろうか。発生直後に「ライフスペース」(SPGF)という団体の創設者・高橋弘二が記者会見し、「定説」「サイババの勝手なんです」などの迷言を残したあの事件だ。

 高橋はインドのサイババの弟子を勝手に名乗り、病人の頭を叩いてエネルギーを注入する“シャクティパット”で病気を治せると吹聴していた。

 病気で入院中だった男性を信者が連れ出して成田のホテルで“治療”したが死亡。それでも「生きている」と言い張って、ミイラ化するまでシャクティパットを続けたのだ。

 ライフスペースは宗教と関係ない団体で、もともとは参加費数十万円の自己啓発セミナーを開催していた。バブル崩壊後に経営が傾き、高橋が教祖化。病気直しや予言の能力を持つグル(宗教指導者)を自称し、セミナーで数百万円もの料金を取るようになった。95年には高温の風呂に入る修行で学生信者が死亡する事件も起きている。

 ミイラ事件では高橋を含め11人が逮捕。学校に通わせてもらえず共同生活をしていた児童9人を、児童相談所が保護した。後に高橋は殺人罪で懲役7年の実刑判決が確定し、信者1人が保護責任者遺棄致死罪で執行猶予付きの懲役判決を受けた(他は起訴猶予)。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情