「サタンの国」日本の経済的支援は当然だ 金浦空港で現金入りカバンを受け渡し
1970年代から日本では旧統一教会の「霊感商法」や高額献金が社会問題となったが、教団発祥の地である韓国で、そうした問題はほとんど聞かれない。信者に対する献金要求が緩く、霊感商法が広がりを見せることもなかったためだ。この「落差」はどこから来るのだろうか。
教団に20年以上在籍していたという50歳代の韓国人元信者は「日本は植民地支配を行った『エバ国家』であり、韓国を助けるために日本の人たちが財産を提供するのは当然だと思っていた」と話す。
「エバ国家」の「エバ」とは、旧約聖書に出てくるアダムとエバ(イブ)の物語に由来する。「禁断の木の実」を最初に食べたエバには、アダムを堕落させた責任があるとするのと同じく、植民地支配によって「アダム国家」の韓国を堕落させた日本は「エバ国家」であるという理屈だ。
教団の教義では、韓国はキリストが再臨する国であり全世界の文明の中心と解されている。その韓国を植民地とした日本は「サタンの国」とも呼ばれ、過去の贖罪のために経済的に支援をするのは当然だという理論を展開する。