放送法の公平性「番組全体を見て」は麻生太郎氏の04年国会答弁 安倍官邸に解釈“歪曲”疑惑
「悪意を持って捏造されたものだ」
3日の参院予算委員会で、高市早苗・経済安全保障担当相がこう声を荒げていたのが、放送法の政治的公平性をめぐり、2016年、当時の安倍政権の官邸側と総務省側がやりとりした記録とされる総務省の内部文書についてだった。
立憲民主党の小西洋之参院議員が入手したこの内部文書「礒崎総理補佐官ご説明結果」には、個別の番組ではなく放送局の番組全体を見て判断する、とされてきた放送法の「政府解釈」について、当時の礒崎陽輔首相補佐官(19年参院選で落選)が「この件は俺と(安倍晋三)総理が決める話」などと、圧力をかけて事実上の「変更」を迫った、とされる内容が記され、この結果、政府解釈は「一つの番組でも判断し得るケースがある」と補充されたという。
小西氏は、内閣法制局の審査を経ずに「一部の権力者によって都合のいい解釈に放送法が私物化されている」と批判し、今も国会で質疑が続いている。
内部文書の真偽ももちろん大事だが、忘れてならないのは、そもそも放送法について「変更前」の「政府解釈」を強く主張していたのは他ならぬ自民党政権だったことだ。