専門家に聞く「防犯グッズ」最新事情…強盗の侵入を諦めさせるには“10分間”が勝負
広域連続強盗・殺人「ルフィ事件」の影響から家の防犯対策に注目が集まっている。防犯グッズが売り上げを伸ばし、専用売り場も設けられているほど。ルフィ事件のような凶悪なやつらに狙われたらひとたまりもないだろうが、できるだけ被害を防ぐためにはどうしたらいいのか。
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「テレビで連続強盗のニュースを見て、慌てて防犯スプレーを購入しました。我々みたいな高齢者には、どういった防犯対策が必要でしょうか?」
こう話すのは、東京近郊に住む80代の男性だ。
警察庁「令和4年の犯罪情勢」によると、昨年の刑法犯の犯罪認知件数は約60万件。うち凶器などで家の人を脅し金品を強奪する侵入強盗、空き巣などの侵入盗、住居不法侵入の住宅侵入を合わせた数は4万6416件だった。
一方、オレオレ詐欺や架空料金請求など特殊詐欺は1万7520件で、被害総額は約361億円と8年ぶりに前年から増加に転じている。
家にいてもおちおち安心していられない。特に殺人事件にまで発展したルフィ事件以降は、1人暮らしや高齢世帯を中心に防犯グッズを買い求める人が増えている。
■10分耐えられれば9割が犯行を断念
では、どんな防犯グッズを用意すると犯罪者から身を守れるのか?
都市防犯研究センターが元泥棒に聞いたところ、侵入に手間取ってあきらめる時間について「2分以内」と答えた元泥棒が17.1%いた。さらに「2分超5分以内」が51.4%、「5分超10分以内」は22.9%だった。つまり、10分泥棒のやる気をそげば約9割が自宅への侵入をあきらめるということだ。