「骨太の方針」少子化反転へと息巻くが…物価高で賃金目減り、家計負担増のにおいプンプン
家計は子どもどころじゃない──。政府は7日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の基本指針「骨太の方針」を示した。岸田政権が「異次元」と称する少子化対策については「こども・子育て政策は最も有効な未来への投資であり、政府を挙げて取り組みを強化し、少子化傾向を反転させる」と鼻息が荒いが、足元のカツカツの家計は眼中にあるのか。
厚労省の毎月勤労統計によると、4月の実質賃金は前年同月比3.0%減で13カ月連続のマイナス。1年以上、物価上昇に賃金が追いつかない。
■ボロボロの家計
総務省の家計調査からは、“苦渋のやりくり”が浮かび上がる。2人以上世帯の4月の消費支出は物価変動を除く実質で前年同月比4.4%減少した。
何を節約したのか。食料が1.1%減なのに対し、教育費は19.5%減、仕送り金は40.8%減とケタ違いで減っているのだ。
「仕送りを4割もカットされれば、子どもはバイトを増やすなど勉強にも影響が出かねません。ただ、親の方も苦労しているはずです。食品値上げが相次いでいますが、価格が上がっても食べないわけにはいかず、食費を節約するのは、限界がある。そこで、子どもに対する教育費や仕送りを削減せざるを得ないのでしょう」(立正大法制研究所特別研究員・浦野広明氏=税法)