酔ったオヤジの“ジャズ話”を若い女性2人が聞かされる蒲田の風景

公開日: 更新日:

蒲田(大田区)②

 JR蒲田駅西口を出て右に行くと線路沿いに飲食店がずらりと並び、その先の工学院通りまでこの辺りは毎晩大賑わいのエリアだった。

「だった」と過去形なのは、その栄光は西口を出て左側の池上線沿いのバーボンロードに奪取されたから。かつて西口のランドマーク「鳥万」は今では高齢者のたまり場になり、東京工科大学の学生たちがコンパに使うことなど皆無に等しいという。

 半世紀近く前、この辺の高校生は文化祭になると必ず鳥万でコンパ。「3階座敷〇〇高校様」って書かれた札が入り口に立ててあった。信じられる? 昭和はそれくらい寛容な時代だった。

 でも、今日は鳥万をスルーして最近評判の「ニュー魚寅」へ。魚寅食堂として4年前にオープンし、2年前、魚がうまい立ち飲み酒場としてリニューアル。

「立っていただくほうが、たくさんお客さまが入れるし、回転もいいでしょ」。こう言う店長は接客の達人。客の名前を最初に聞いて伝票に書き込むと、必ず名前で呼んでくれる。「アタシってバカだから名前覚えられないのよ~」。謙遜して笑っているが、2度目に行けば必ず名前で呼んでくれる。うれしいね。あ、ちなみに店長は男性です。

 生ビール(550円)とマグロぶつ(440円)でスタート。痛風に負けじと白子のてんぷら(660円)を追加したら、やっぱり樽酒(440円)も。これを受け皿からあふれんばかりについでくれる店長です。肴も大事だが、酒場の良し悪しは人によるところ大。

「回転いいと思ったら3時間もいるお客さまもいるのよ~。困るけどありがたいわよね~」。どっちなんや!(笑)。長っちりして店長に嫌われないうちに次の店へ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」