40億円の遺産を全額寄付!税と富の公平を求めるオーストリア女性が政治家に言いたいこと

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 皆さん、もし遺産相続で40億円を手にしたらどうします? オーストリアのある女性が全額を寄付すると発表して、世界に衝撃が走っている。

 注目されているのは、ウィーン在住のオーストリア系ドイツ人で、世界最大の総合化学メーカー「BASF」の創業者一族のマレーネ・エンゲルホルンさん(31=写真)。2022年9月に死去した祖母から2500万ユーロ(約39億8900万円)の遺産を相続した。

 税と富の不平等と闘う運動団体「タックスミーナウ」の共同創設者であるマレーネさんは、遺産を50人からなる「善なる再分配評議会」の手に委ね、再分配する計画だという。

 理由の1つは、オーストリアが2008年に相続税を撤廃したこと。マレーネさんは声明を発表し、次のように説明した。

「私は、何もしていないのに財産を、つまり権力を相続しました。国家はそれに課税することすら望んでいないんです」

「多くの人がフルタイムの仕事をしても生計を立てるのに四苦八苦して、稼いだ1ユーロごとに税金を支払っているのに、あまり不公平です」

「政治家が職責を果たさず再分配しないなら、私自身が富を再分配しなければなりません」

 彼女が相続した遺産がどう再配分されるのかーー世界中の注目が集まっている。裏金をため込んでいるどこかの政治家にも聞かせてやりたい。

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