【大富士】(大阪・十三)とんかつにかけるデミの仕込みは1カ月かけて

公開日: 更新日:

 イタリアンやビストロだと緊張する人も、洋食店だと気が楽だろう。そんな店に並ぶスパゲティやオムライスなどは、どこか懐かしい味わいで、見れば途端に食欲スイッチがオンになる。その一皿がテーブルに出されたら、腹が動きだし、胃袋が喜ぶ。さあ、洋食店で腹を満たそう。スパゲティ3店とライス系3店だ。

 年の頃は80歳前後。きまって毎週水曜日の午後2時にのれんをくぐり、自ら決めたお気に入りの指定席につく。注文は常にとんかつ定食。

「うん、ウマい。ホンマになつかしい。変わらん味や」

 いつもそう言って箸を進める男性客は、ある日を境に突然姿を消してしまった。

「もう5年になりますか。名前もわからないんですが、常連の中の常連さんだっただけに気になりますよね。トシもトシだし、元気でいてくれればいいんですが」

 昭和の薫りが残る阪急十三駅から徒歩2分。創業67年目を迎えた老舗食堂の3代目・中川知樹さん(41)のイチオシ料理は、そんな年老いた客に愛されたとんかつだ。初代から続く仕入れ業者に全幅の信頼を寄せ、豚肉は「いいものを」とだけ伝えてすべてお任せ。そして最大のウリは1カ月かけて仕込むデミグラスソースだ(写真は完成10日前)。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差