1人4万円の定額減税の次は「怒濤の増税ラッシュ」が始まる! 岸田政権が企む中身あれこれ

公開日: 更新日:

 6月からの1人4万円の定額減税に続き、10月からは児童手当の拡充(高校生まで月1万円など)が始まる。一見、政府による大盤振る舞いのように思えるが、お金は空から降ってくるわけではない。喜んだのも束の間、怒涛の増税ラッシュが待ち受けている。

  ◇  ◇  ◇

「6月から1人4万円の所得税・住民税の定額減税を行い、今年の夏には賃上げと所得減税を組み合わせることで可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態を“確実”に実現いたします」

 租税に関する調査審議を行う「政府税制調査会」(政府税調)の会合が始まっている。冒頭は初回総会での岸田首相の発言。最近は〈増税メガネ〉から〈恩着せメガネ〉というニックネームが定着しているが、ここでもしっかり定額減税をアピールしている。

 政府税調とは本来、税の公平・中立の観点から立法や国会審議における参考資料として有識者が意見を言う場。だが、これまでには増税の“お墨付き”を与えてきた側面もある。昨年は「退職金課税」「通勤手当課税」などが議論され、今年も少子高齢化の進行や労働力人口の減少を理由に所得税や消費税、資産課税などを安定的に確保する方法を検討中だ。

「政府税調の答申に記載される文言は『検討』ではなく、近い将来『決定』に向かうことが多い。2023年度でさえ所得に占める税と社会保障の負担割合は46.8%。1人4万円の定額減税を喜んでいる場合ではありません」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)

 岸田首相が財政赤字の転換と国債依存からの脱却を図るのはわかるが、その一方で物価高騰で庶民が困窮するのを尻目に、24年度の防衛費と関連経費は総額8.9兆円、27年度までにGDP比2%の11兆円まで引き上げる方針。

 当然、支出削減だけでは限界があり、どこからか取ってくる必要がある。とはいえ、岸田首相は過去に「消費税は10年程度は上げることを考えていない」(21年9月・自民党総裁選の候補者討論会)と発言しており、いわば手足を縛られた状況。そうなると、個人所得税や資産課税といった庶民の懐から徴収する以外に方法がないのだ。

 では、どんな増税をたくらんでいるのか?

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  3. 3

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁

  4. 4

    政府のマイナ保険証強行に反旗! 原告団事務局長が明かす「対応義務化訴訟」に踏み切った医療現場の実態

  5. 5

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  1. 6

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  2. 7

    悠仁さまの進学先に最適なのは東大ではなくやっぱり筑波大!キャンパス内の学生宿舎は安全性も高め

  3. 8

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  4. 9

    斎藤元彦知事は“無双”から絶体絶命に…公選法違反疑惑で刑事告発した上脇教授と郷原弁護士に聞いた

  5. 10

    “異例の成績”報道の悠仁さまに東大の「共通テスト重視」が与える影響は?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁