国立国会図書館国際子ども図書館(東京・台東区)は見どころ満載で大人でも楽しめる

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 上野動物園や博物館などを擁する上野の森を抜けた一角にレンガ造りの大きな建物が見えてきた。屋根にはデザインされた避雷針。堂々と、そして凜とした風格に「ここが図書館?」と一瞬戸惑うほどだ。

「この建物は1906(明治39)年に帝国図書館として建てられたもので、1929(昭和4)年に増築された明治期のルネサンス様式の建物を保存・再利用したものなんですよ。当時、東洋一の図書館を目指して建てられたと聞いています」と広報の小熊有希さんが言う。

 2000(平成12)年に国立唯一の児童書専門図書館としてオープン。敷地面積は約7800平方メートルで、中庭を挟んで3階建てのレンガ棟(写真①)と全体に弧を描く3階建てアーチ棟(2015=平成27年建設)とに分かれ、レンガ棟には子どもや一般向けの各種閲覧室などがあり、アーチ棟には入室手続きが必要な児童書研究資料室がある。蔵書は全50万冊。明治から現代までの絵本や児童文学、また約160の国と地域のそれらが一堂に揃う。

 この図書館、蔵書はもちろんだが、とにかく見どころが満載なのだ。たとえばレンガ棟の1階にある「子どものへや」の天井。全体に照明が入っており、本を読むときに影ができにくくなっている。隣の「世界を知るへや」の床はアメ色に光る寄せ木細工で、3種類の木板を組み合わせて模様が描かれているのだ。

「帝国図書館時代は貴賓室だったんです。天井は鏝絵で装飾され、シャンデリアは当時のものを再現しているんですよ」(企画協力課・中村邦子さん)

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