煎茶が高騰した「3つの要因」…前年比4倍で取引される異常事態
普段、身近に飲んでいるお茶が急騰している。
秋から初冬にかけて収穫される「秋冬番茶」の取引が、先月下旬から静岡県で始まった。静岡茶市場では今月6日、1キロあたり1380~1577円の値が付いた。昨年の約4倍と、異常な高値だ。
今年、静岡県では、春先に収穫される一番茶(新茶)から高値で推移し、1キロあたりの平均単価が前年比1.3倍の2200円前後に。
二番茶も約2倍の1200円前後と、全体的に高水準で取引されている。
静岡県以外でも、お茶の高騰は全国的に見られている。JA全農京都茶市場では、一番茶・煎茶の平均価格は前年の1.3倍、二番茶・煎茶は1.6倍に。鹿児島県茶市場では、それぞれ1.5倍、2.2倍だった。
なぜこんなにも高騰しているのか。
「一番茶に関しては、今年の春先、全国的に気温が低く収穫量が少なかったのに、逆に品質自体は良いものが収穫されたため、高騰しました。二番茶以降は、ペットボトルの茶飲料向け原料としての在庫が不足ぎみで、引き合いが強くなっているのが原因でしょう。また、生産者の減少も要因のひとつと考えられます。販売目的の農家数は、2000年に5万3687軒だったのが、20年に1万2325軒と、約4分の1に急減しています」(農水省農産局果樹・茶グループの担当者)