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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

衝撃の電池78kWhと航続距離702km! 新もったいない戦略の新型リーフに初試乗した

公開日: 更新日:

日産リーフ(車両価格:¥5,188,700/税込み~)

「価格は…こうご期待でお願いします(笑)」(リーフ担当エンジニア磯部博樹さん)

 日産復活の兆しとなるバッテリーEVの新型リーフが遂に国内発表された。まず大容量バッテリーのB7グレードからだが、驚きは航続距離で、従来の60kWhから78kWh電池に積み替え、WLTCモードで702km! 実距離は600km前後とも言われているが、それだけ走れば日本では十分過ぎる。

 気になる価格は、B7グレードで従来とほぼ変わらぬ518万8700円スタートと意外に安く、補助金を使えば楽勝で400万円台で買えるのと、さらなる注目は来春に発売予定の55kWh電池を搭載する「B5」グレードだ。

「先日スズキ初EVのeビターラが400万円切りで出た出ましたが…」と言いつつ磯部さんに尋ねたところ冒頭の返事。そう、かなりスズキを意識した価格で来ることが予想され、これまた期待大。いよいよ日産も買いやすさで勝負に出てきたわけだ。

日本車らしい実直なEV

 さらなる注目はテストコースで乗った実車のリーフB7。デザインは公表済みで、今回明らかになったのが扱いやすさ。全長×全幅×全高は4360×1810×1550mmでホイールベースが2690mmと、旧型より12cmも短くなっている。幅微増だが高さは微減で、ハンズオフ運転が可能なプロパイロット2.0機能を付けると難しいが、なし仕様は日本の立体駐車場にラクに入る。

 オマケにモーターが入るeアクスルが小型化したのでステアリングが良く切れ、ボディ取り回しも良くなった。

 それでいて車内はほとんど狭くなっておらず、前後シート共に身長175cmの筆者が普通に座れる。ラゲッジは正確には435ℓから420ℓにサイズダウンしたが実質変わらず。いまどきフルモデルチェンジしてサイズが小さくなるケースは少ないが、新型リーフはまさに、ゲンダイの「もったいない戦略」で作られたのだ。

 一方、プロパイロット2.0や新世代の12.3インチ×2のデュアルディスプレイこそ備わったが、スマホ的に使えるテスラモデルYと比べるとデジタル感は薄め。アチラは無線アップデートで機能が変わるほど未来志向だが、新型リーフは実直。この辺りは日本車らしいマジメさをキープ。

動的クオリティはプレミアムEV並みに

 走りの質感も大幅進化した。モーターのピークパワー&トルクは218ps&355Nmと、旧型比でトルクが微妙に太くなったくらいだが、ボディ骨格は一新。ミディアムEVの日産アリアに使われているルノーと共同開発のCMF-EVプラットフォームになったおかげで乗り心地激変。リアサスペンションもマルチリンクになり、全体のガッチリ感、ショックの少なさは大違いで、走りはひとクラス上だ。

 一方、加速は電池が増えて重くなった分、驚くような速さはない。しかしドライブモードをスポーツにすれば出足の鋭さはガソリン車の比ではなく、爽快。加えて、静粛性や新たにモーターのローターを複数分割した新型モーターのおかげでヒューンと唸るモーター音や振動がほぼ皆無。ただでさえ高かった動的クオリティが、プレミアムEV並みになり、まさに小さな未来の高級車となったわけだ。

 確かにいわゆる「走るスマホ的」な部分でいうとテスラや中国EVとは違う進化の方向を行くEV。そうではなく、いままで燃えたことがない安心安全の日本製EVをより安全に進化させたのが新型リーフ。価格も補助金を考えると手軽になっている。

 そう、クルマにビックリを求めるインフルエンサー系ではないアナタ! そんな実直な日本人に向けたマジメでプレミアムで使いやすい新しいEVなのである。

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