絶不調のドジャース大谷翔平は“打席に立った時点で負けている”…指揮官も苦言「あのままでは勝てない」
大谷翔平(31=ドジャース)と言えば、2年連続本塁打王を獲得したパワーはもちろん、飛び抜けた修正能力も売り。結果が出なくても、すぐに調子を取り戻す。スランプと呼ぶような時期がほとんどない。
今季は162試合中158試合に出場。登板日も打席に立ち続けたにもかかわらず、無安打が3試合以上続いたケースは一度もない。2戦連続無安打が7回あるだけだ。
そんな大谷に珍しく無安打が続いている。
日本時間14日、ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズが開幕。ドジャースはレギュラーシーズンで6戦全敗だった相手に2-1で先勝したものの、「1番・DH」で出場した大谷は2打数無安打、3四球(うち2つは申告敬遠)。この日で9日のフィリーズ戦から今季ワーストとなる3試合連続無安打なのだ。
前回のフィリーズとの地区シリーズは18打数1安打、9三振と散々だったが、この日は三振がひとつもなく、四球による3出塁もあって周囲の見方は好意的。
「きょうのショウヘイは素晴らしかった」とロバーツ監督が絶賛すれば、メディアも「ボールの見極めが良くなった」などと指摘しているとはいえ、本当にそうか。
例えば三回1死走者なしで左飛に倒れた2打席目。カウント1-1からの3球目、ど真ん中の甘いシンカーを見逃して2ストライクと追い込まれた。ストライクを2球続けて見逃した揚げ句、この打席の最初のスイングは2-2からの5球目だった(結果はファウル)。
大谷は野球を始めたころから早打ちだ。「初球から打ちにいけ、ファーストストライクは見逃すな。投手は四球が嫌。だれでも早いうちにストライクが欲しいもの。甘い球がくる確率も、ヒットになる確率も高い」という社会人野球を経験した父親の教えと無関係ではないだろうし、早いカウントからストライクを打ちにいくスタンスはプロに入ってからも、そして今も変わらない。
その大谷がストライクを2球続けて、しかも甘い球まで見逃した。
本人はかつて、こんなことを話している。
「打てそうな気がして凡退してしまうのと、打てなさそうな気がしてもヒットになるのとでは全然違う。ボールの見え方もそうですし。僕としては打ち損じているくらいの方がいいかなと思う。結果よりもです」
「打席に入ったときにもう、すでに(投手に)勝っているか、勝っていないかの話です。打つ打たないは結果としてありますけど、打席に入ったとき、ピッチャーと向かい合ったときに打てそうな気がするかどうか」