著者のコラム一覧
一雫ライオン作家

1973年、東京都出身。明治大学政治経済学部2部中退。俳優としての活動を経て、演劇ユニット「東京深夜舞台」を結成後、脚本家に。数多くの作品の脚本を担当後、2017年に「ダー・天使」で小説家デビュー。21年に刊行した「二人の嘘」が話題となりベストセラーに。著書に「スノーマン」「流氷の果て」などがある。

(92)雨に濡れる地面に渡部の姿

公開日: 更新日:
イラスト・宮坂猛

「言ってください」

 林檎は前に視線をむける。

「テレビの、画面サイズではないでしょうか?」

「画面?」

「彼が絵描きなんです。その紙を見つめているうちに、なにかぴんと来て。ネットで調べたら、昭和のアナログ時代のテレビの画面サイズの比率が、4×3だそうです… 

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