過去最悪の死者数…クマ被害が日常生活や地域経済に与えるこれだけの影響
今年度、全国でクマに襲われて死亡した人の数が今月3日、計7人になり、過去最悪だった2023年度の6人を上回った。
宮城県栗原市では同日、キノコ狩りに来ていた70代の男女4人グループのうち、75歳の女性がツキノワグマに爪で首を引っかかれ、死亡。一緒にいた女性も依然、行方不明のままだ。長野県大鹿村でも同日、キノコ狩り中の78歳の男性がクマに襲われ、亡くなった。
環境省のまとめでは9月末までの人身被害者数は108人。今年度の人身被害者数が過去最多の10人となった新潟県は6日、3段階の警戒レベルで最高となる「クマ出没特別警報」を発表した。これまで全国各地の自治体でクマ出没警戒警報が出されている。
■10月は人身被害が急増
クマは秋以降、ブナの実やドングリなど大量の食物を取り、冬眠に備える。過去最悪のペースだった23年度も9月に36件だった人身被害が10月には60件に跳ね上がっている。今年も23年度同様、エサの不足が予想され、今後、被害が急増する可能性が高い。なぜクマは人を襲うようになったのか。