那須塩原市図書館みるる(栃木県)「まるで森の中を歩いているよう」
明治、大正期の石造りの建造物が点在する風情ある街並みが残るJR黒磯駅付近。そんな中においてひときわ目を引くのが駅前にある「那須塩原市図書館みるる」だ。
開館して丸5年。旧図書館の2.5倍の来館者数を誇る人気スポットでもある。
「地元、那須塩原市出身の建築家による設計で、那須高原の森のような空間をイメージしてつくられました。外からも見えますが、天井まで大きくガラス窓を取り、屋根は波打つようなデザインで木のルーバーを施しています。館内から見上げるとその天井のルーバーが『枝葉の裏』のように見えるんですよ」と館長の物井友和さん。
建物は2階建てで、図書館としての機能は主に2階に集約。とはいえ、1階にも書棚がしつらえられており、これが何とも面白いのだ。
思わず見上げてしまう、約7メートルの天井まで届く格子状の巨大書架。下から4段目までは本が陳列され、それより上には本のフレーズを抽出し、視覚化した「言葉の彫刻」が掲出されている。
「言葉の彫刻は年に1度取り換えており、この10月からは新しい言葉『あらゆる音に対して開かれた耳には、すべてが音楽的に聞こえるはずです』などに変更。文字の配列を円形状にするなど、見ても楽しいデザインとなっていますので、ぜひ実際にご覧いただきたいですね」(物井さん)