高市総裁「首相指名」に漂う不安…自民党内は“厭戦ムード”も燻る火種、飛び交う「怪文書」の中身
両院議員懇談会は拍子抜け
「私の責任だ。おわび申し上げる」──。自民党が14日開催した両院議員懇談会の冒頭、高市総裁は公明党の連立離脱に至る経緯を説明した後、こう謝罪した。会合では、今後の党運営について協議したという。
公明の離脱に伴う選挙協力解消は自民議員にとって大痛手なだけに、懇談会では不満噴出が予想されていた。高市氏への責任論が飛び出し「大荒れ」必至と思われたが、フタを開けてみれば高市氏への批判はわずか。拍子抜けだった。
参加者によれば、懇談会は約1時間半に及び、発言したのは19人。「超少数与党」に陥り、21日に実施見込みの首相指名選挙では、高市氏が選出されるかは不透明だ。そのため、高市氏が確実に選ばれるメドが立つまで石破首相が続投し首相と総裁が異なる「総・総分離」の継続を求めたり、総裁選のやり直しを求める声がポツポツと上がったが、少数意見だったという。船田元・衆院議員は、総・総分離を提唱したところ「周囲からヤジが飛んできた」と報道陣に明かしたほどだ。
まだ新総裁を選出したばかりだからか党内に「また“おろし”はごめん」と厭戦ムードが漂っているようだが、かといって「高市総裁の下で一致結束すべし」という雰囲気でもない。懇談会に参加した若手議員はこう言う。
「高市さんへの批判が少なかったのは、彼女が冒頭で謝罪したからです。それに、総裁選出直後のいま、『ヤメロ』とも言いづらい。ただ、今後、高市政権が発足できたとしても、超少数与党で運営は困難を極めます。行き詰まれば批判を招くでしょう。まあ、当面はお手並み拝見ですね」