「この集落はなくなります」地震と豪雨で壊滅状態、80代元住民が嘆く厳しすぎる現状

公開日: 更新日:

「もうここには住めない」という悲痛な声が聞こえてきた。

 まもなく発生から1年が経とうとしている能登半島地震災害に脆弱な過疎地域を中心に大きな被害に見舞われ、消滅の危機にさらされている集落が少なくない。

 石川県金沢市の中心地から80キロほど北に位置する、七尾市中島町河内の山間集落は、正月の地震による被害がとりわけ甚大だった。古い家屋が多いため大半が揺れで傾き、一目で再建が不可能だとわかるほどのダメージを負った。震災直後の1月11日に日刊ゲンダイ記者が集落を訪れた時は住民が全員避難しており、“廃村状態”と言ってもいいほどだった。

 先月下旬、記者は同集落を再訪した。当時と同じで人けがなく、集落は静まり返っていたが、家の納屋にたたずんでいた80代の男性を見つけた。元住民だった。男性は集落の現状をこう話す。

「見ての通り、ここには誰も戻ってきていませんよ。自分も畑の様子を見に来ただけ。家を再建するお金もないし、もうあきらめました。生まれ育った場所だから寂しいけど、この集落はなくなります。もともと高齢化がひどかったから覚悟はしてましたが、こんなふうに終わるとは……」

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する