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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

麻布がデッドラインを死守したカラクリ…入試倍率“2倍”をギリギリでキープ

公開日: 更新日:

「腐っても鯛。まだ名前の威力は残っている」と半ば自嘲気味に安堵の表情を浮かべるのは麻布中学・高校の50代OB。自身の子どもも麻布に入れ、すでに卒業しているとはいえ、母校の動向には非常に敏感だ。

 麻布や武蔵とともに私立男子御三家の一角を占める開成は東大合格者数43期連続首位というとてつもない実績を残している。この開成も麻布にどうしても勝てない記録がある。

 麻布は1954年に東大合格者数で7位となり、以来、昨年まで70期連続(69年は東大入試中止)でトップ10入り。空前の記録を続けるが、「いつ途絶えるかハラハラしている」(OB)といった声が方々から聞こえるようになった。

 18年の東大合格者は98人、19年は100人といずれも3位だったが、その後は低迷。昨年は55人で9位と、崖っぷちに追い込まれている。不振が続く中、中学受験戦線でも存在感が薄くなってきた。麻布の入試倍率が下降傾向にあるのだ。昨年は2.26倍。23年の2.41倍から0.15ポイントも下がった。さらに衝撃的なことが起こる。昨秋、学習塾の間で「25年は2倍を割りそう」という情報が駆け巡ったのだ。各大手模試の志望状況から割り出された。

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