“虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由

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「生物多様性を保つよう意見書なども提出したが、主催者側はそこまで理解を示してくれているようには見えませんでした。結局、開発で緑地が減るなどして生物が減少し、私も会場に行ったのですが、かつてのような多くの鳥や虫はいなかった。ユスリカも鳥などの捕食者がいなくなり、大量発生のような異常が生じているのではないでしょうか」

 会場の中心にあり、1500本の樹木が植えられている「静けさの森」周辺でも、ユスリカが確認されている。ここについて万博協会は「生態系と共存し未来を共創する」と誇らしげだが、舌先三寸もいいところだ。

「生態系が損なわれ、殺虫剤がまかれるような事態になったのは非常に残念です。ユスリカによる健康被害もあるので放置はできませんが、せめて生態系に影響が及ばないような形で対応してほしい。万博は『いのち輝く』とうたいますが、頭にあるのは人の命だけではないのか。豊かな生活のためには自然が不可欠ですし、閉幕後は夢洲の自然回復に努めてほしいです」(夏原由博会長)

 人工島とはいえ、自然が残る場所に人間が乗り込み、今度は殺虫剤をばらまく。動物たちがすみかを追われる様子はさながら、ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のようだ。

  ◇  ◇  ◇

 大阪・関西万博を巡る混乱ぶりは、関連記事に網羅している。

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