急増する国立大理工系女子枠に「逆差別?」の声が出る懸念も…2026年度は京大・阪大も導入
■学校推薦型か総合型の選抜オンリーだが、志願者割れのケースも
国立大の理工系女子枠は、今まではすべて旧AO入試に近い総合型選抜か学校推薦型選抜の年内入試だった。一般選抜方式の女子枠だと2月の入試時期に実施するので時間的に困難だ。男子志願者にとって、その分、男子が希望学部一般選抜の募集人員が減り競争率が高くなるわけで、「女子優遇の逆差別ではないか」という声も起こりやすい。総合型や学校選抜型なら年内入試で心理的抵抗感も少ないだろう。
募集人員が149人とダントツに多く、ほとんどの理工系学部が女子枠を導入した東京科学大学(旧・東京工業大学)は、生命理工を除いて総合型選抜である。生命理工はもともと女子志望者が多いので、学校推薦を条件にしたのであろう。
25年度入試では、茨城大、秋田大など5大学の女子枠入試では志願倍率が1倍を下回った。北海道の北見工業大学は志願者11人(募集人員16人)で、2年連続で、前年の初年度に続いて「定員割れ」だ。女子枠20人の募集に志願者2人という琉球大学も厳しい。ただ同大学の理工系女子枠以外では女子志願者が増える傾向も指摘される。