急増する国立大理工系女子枠に「逆差別?」の声が出る懸念も…2026年度は京大・阪大も導入
長崎大や大分大などでは、学科で志願状況に差が出ており、各学科専攻で学ぶ内容に対する女子受験生の理解を深めることが大切だ。地方国立大ならば、高大連携に積極的な地元の高校も多い。理工系各専攻の学ぶ内容と将来の進路の可能性などをPRすれば、女子受験生も増えるはずだ。
■ジェンダーレスの環境とキャリア支援が課題
もともと女子学生の多い理工系学部ならあまり問題はないが、女子学生がほとんどいなかった大学では、受け入れ態勢を整備する必要がある。トイレや更衣室の整備、生理用品配置への配慮などは最低条件だ。教職員のジェンダーレスへの意識改革だけでなく、男子進学校出身学生のジェンダーフリーにむけた意識改革も必要になってくる。教職員のパワハラや男子学生のセクハラまがいの言動も報告されているからだ。
また理工系学部の女子学生が欠かせないのが、キャリア支援である。就活でも理工系に多い「コネ入社」でなく、女性目線が欠かせないデータサイエンス関係、地域振興を目的とする地方スタートアップ企業など、理工系女子の就職ルートも新規に開拓することである。理工系女子のキャリア形成だけでなく、地域の改革意欲のある企業にとっても、大きくプラスになるはずだ。