「妻はりんごを食べない」瀧羽麻子著
「妻はりんごを食べない」瀧羽麻子著
四十路を過ぎた小川暁生は、玖美と再婚して数年。共働きだが、ウェブエンジニアの玖美は在宅ワークが中心で、家事分担にもめることもなく、生活は穏やかだった。
ある日、玖美は京都の実家で法事があり、帰省。暁生は玖美の帰宅を心待ちにしていたが、もう少し滞在したいとの連絡が入る。数日後、暁生は大阪へ出張に行った際、思い切って玖美の実家を訪ねるが、玖美は留守で会えずじまい。以来、スマホはつながるものの玖美は姿を消した。
暁生は妻を捜して、義弟と共に京都、青森と彼女と縁のある場所を訪れる。やがて、義父が京都に来た理由、生まれ故郷・青森で玖美の過去を知る。
長崎で妻と再会するまでの47日間を描く家族の在り方を問う物語。 (幻冬舎 1980円)