ウクライナ出身の安青錦が史上最速初金星!技巧派の師匠を彷彿させる妙技「渡し込み」炸裂
師匠を彷彿させる妙技が炸裂した。
前頭筆頭の安青錦(21)が15日、横綱・豊昇龍を破って初金星。初土俵から12場所目での金星は、小錦(元大関)と友風の14場所を抜き、史上最速記録となった。
取組後、「(体が)起きなかったんで、よかったです」と話したように、立ち合いで豊昇龍の突きにひるまず、低い姿勢をキープ。右下手を取り、相手の腹に自分の頭をつける盤石の体勢になった。
まわしを切ろうとした豊昇龍の強引な上手投げをこらえ、横綱の右足を抱えながら押し倒し。決まり手は幕内では出にくい「渡し込み」。
技巧派として知られた師匠の安治川親方(元関脇安美錦)も現役時代、6度この技で勝利している。
ウクライナ出身の安青錦はロシアの母国への軍事侵攻が勃発した2022年、戦火を逃れ、長年の夢だった大相撲の力士になるべく来日。安治川親方の薫陶を受け、自身も技巧派として成長を遂げつつある。
今年4月、日刊ゲンダイの取材に、「師匠から細かいことを教えてもらっています。ここでまわしを取ったら、こうできる。ここをこうしたら、簡単に前に出られるなどです。稽古の量やトレーニングのアドバイスをもらうこともある」と話していた。コツコツと技を磨いた成果が金星につながったようなのだ。
今後も金星を量産……と言いたいところだが、安青錦は新入幕の3月場所から連続で11勝し、早くも平幕筆頭。もっか2勝1敗で、勝ち越せば三役も見えてくる。この日が最初で最後の金星となるかもしれない。