エビアン選手権 グレース・キムの“無の境地”が呼んだ奇跡の逆転優勝…日本勢の若手も見せ場を作ってほしい
「これで終わった」
見ている誰もがそう思ったでしょう。
エビアン選手権最終日は、通算14アンダーで並んだG・キム(24=豪州)とJ・ティティクル(22=タイ)のプレーオフになりました。18番(パー5)で行われた1ホール目。欲が出たのか、キムの第2打は大きく右へ曲がり、グリーン右のレッドペナルティーエリア(池)に入った。ゴルフは不思議なもので、いろいろ考えると曲がります。
ティティクルの第2打はグリーン奥へ。キムは1罰打でドロップし、第4打は30ヤードくらいあったでしょうか。ここで「勝負あり」と思いましたが、そのアプローチはカップに向かって一直線。奇跡のチップインバーディーとなりました。
2人はこのホールを分けて2ホール目へ。キムは188ヤードの第2打をピン左上2.5メートルへつけると、ティティクルの第2打は再びグリーン左奥へ。第3打を2メートルに寄せますが、キムがイーグルパットを沈めて決着をつけました。
1ホール目のキムの第4打がカップインする確率は限りなくゼロに近い。落胆し、勝負を諦めていたり、逆に「カップに寄せたい」という気持ちが強ければ、絶対に入ってはいないでしょう。