急増する国立大理工系女子枠に「逆差別?」の声が出る懸念も…2026年度は京大・阪大も導入
文部科学省が2022年に大学入学者選抜実施要項の中で「多様な背景を持った者を対象とする選抜」に触れ、入学者の多様化が課題になった。留学生とともに期待されているのが、女子入学者である。さらに同省の「国立大学の『将来像』-2040年の社会に向けて」で、国立大学の女性学生比率の向上が欠かせないという意見が出て、国立大の理工系女子枠を設ける動きが加速している。理工系学部で女子学生比率が30%を超えると、多様化が実現していると経験的に推測できるというわけだ。
23年度入試では富山大や名古屋大など、24年度入試では東京科学大などが導入。25年度は、千葉大や神戸大など15校が女子枠を新設し、前年から倍増の30校になった。26年度入試でも導入予定校は5校以上、西日本の有力大学である京都大、大阪大、広島大、九州大などの決定は他大学に与える影響力が大きい。
残る有力大は、東日本の北海道大学、東北大学、東京大学だ。ただ東京大学では学部別入試でなく、文Ⅰ・Ⅱ・Ⅲや理Ⅰ・Ⅱ・Ⅲなどの類別募集となっているため、3年次進級のときに理系Ⅰ・Ⅱの類から文系の学部に進級するいわゆる「文転」する「女子枠」学生が増える懸念はある。