長嶋茂雄さんの引退試合の日にもらった“約束”のグラブを含めてすべての思い出が宝物です

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 “燃える男”、“ミスター”の愛称で国民的人気を誇ったプロ野球巨人監督の長嶋茂雄さんが6月3日、都内の病院で肺炎のために亡くなった。享年89。選手、監督として数々の伝説、逸話を残した「ミスタープロ野球」は、身近に接した者すべてにそれぞれの「長嶋茂雄像」を強く印象づけてもいる。

 今回は日刊ゲンダイ特別号「追悼 長嶋茂雄 50人の証言」に収録された元巨人で名球会会員の柴田勲氏による回顧録を特別公開する。 

  ◇  ◇  ◇

「おい、柴田。ほら、約束の物だ」

 1974年10月14日、後楽園球場の巨人のロッカールームで長嶋茂雄さんからグラブをいただいた。実はこれ、1年前に「ください」とお願いしていたものだった。

 前年のシーズン終盤、川上哲治監督から、長嶋さんが現役を引退、翌年から監督に就任することを聞かされていた。そこで、「もし現役を辞めるのなら、何か記念になるものをください。今、使っているグラブをいただけませんか」と頼んだのだ。しかし、長嶋さんの引退は1年延期。グラブをねだったことは、私もすっかり忘れていた。

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