トイレットペーパー使用に広告視聴が必須…中国の公衆トイレ「無駄が減る」「人権侵害」と賛否両論
中国の公衆トイレにトイレットペーパーの「広告視聴型ディスペンサー」が導入され、賛否両論が巻き起こっている。
このニュースは今月5日、「チャイナ・インサイダー」というフェイスブックのアカウントに投稿された動画が、本国の中国版ツイッターの微博(ウェイボー)やTikTokに飛び火し、急拡散した。
元の動画の説明によると、このシステムでは、ディスペンサー(供給機)からトイレットペーパーを入手するために、ユーザーがQRコードをスキャンし、短い広告動画を視聴しなければならない。視聴後、ようやく60センチ程度の紙が排出される仕組みだ。
広告を見るのが嫌なら0.5元(約10円)を支払う選択肢もあるが、支払いもアプリ経由で行うため、基本的にスマホなしでは利用できない。
動画には女性がトイレ内でスマホを使ってディスペンサーから紙を入手する様子が映っている。写真はそのひとコマだ。
中国では2010年代から公衆トイレからトイレットペーパーを持ち去ったり、大量消費することが問題となっており、習近平政府は「トイレ革命」と位置づけ、技術革新で対処してきた。顔認証システムやAIの導入などで紙供給のコントロールを図ってきたが、「広告視聴型ディスペンサー」はその最新の試み。