おむすび てしま(東京・仙川)82歳の今も時には1000個!客の心を温める弘子おばあちゃん
食材費が上がり続け、飲食店にとっては厳しい時代だが、苦しい時を乗り越えて生き抜く老舗も少なくない。そんな名店には、時代の荒波に打ち勝つヒントがあるはずだ。創業50年を迎えた本紙と“同い年”くらいの50年飲食店の店主に愛される味の秘訣を聞いた。
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京王線仙川駅から歩いて3分。一見どこにでもある、ごく普通のおむすび屋ながら、海外からもたくさんの客が訪ねてくる人気の店が「おむすび てしま」だ。
「元々、母の父が稲川米店という米屋をやっていたんですよ。この店を始めたのは昭和55年。なので今年で45年ということになりますね」
というのは、2代目店主の手島健太さん。先代がさまざまなコメを食べ比べ、「冷めても粘り気があっておいしいからおむすびに合う」と選んだ新潟県胎内市産コシヒカリを今も変わらず使用。米店ならではの品質のよさがおいしさの秘密だ。
その人気が海外にまで届くようになったのは、味のよさもさることながら、とっておきの“隠し玉”があってのこと。それが店の“看板娘”、健太さんの母・弘子さん。店を始めて以来約50年、82歳になる今も毎日200~300個、大量の注文が入った時には1000個! もおむすびを握り続けているというスーパーおばあちゃんだ。


















