アスリート撮影を違法化する動きが三重県でスタート 法律の“すき間”を埋める条例の意義と課題
最近、スポーツ選手を試合中などに性的な目的で撮影し、SNSに投稿する行為が問題になっています。こうした行為に対し、「性暴力」として定義し、なくしていこうとする「三重県性暴力の根絶をめざす条例」が、10月24日に可決され、27日に施行されました。
この条例では、学校やスポーツ施設など多くの人が出入りする場所で、本人の同意や正当な理由がないまま、性的な目的でアスリートなどを撮影する行為を「性暴力」とみなしています。罰則はありませんが、県や事業者が防止に向けて努力するよう定めています。
これまでも、行き過ぎた撮影行為は法律や条例で一定の規制がありました。たとえば2023年に施行された「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」では、下着や裸など、通常服を着ていれば見えない部分をこっそり撮ると処罰されます。また、しつこく撮影して相手に不安や恐怖、恥ずかしさを与えるような場合は、「卑猥な言動」として迷惑防止条例違反で処罰されていました。
しかし、撮影罪については服を着たままの撮影までは対象になりませんし、また迷惑防止条例違反についても、付きまとって撮影する、複数日にわたって執拗に撮影するなど、かなり悪質なケースに限られていました。


















