著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

「コンサル」名乗るシニアは「ほぼ無職」 それでも「自分は現役ホワイトカラー」の仮面を外せないオジさんたちの終わりなき戦い

公開日: 更新日:

妻は「無職コンサル」に激怒した

「仕事はコンサルです。AIを使った業務効率化のコンサルをやっています。クライアントはーえっとー、ごにょごにょごにょ……」

 こう話すのは、一部上場の大手メーカーを1年前に退職し、その後は「AIコンサルタント」として独立するために準備をしているという埼玉県在住のEさん(61)。白髪頭に眼鏡、ラフなシャツを着たごく普通のシニアである。

 60歳で定年退職したEさんは、企業年金と失業給付で生活をしながら、50万円を払ってAIコミュニティーに所属し勉強してきたという。失業給付が終了してからは、企業年金の月8万円とFXの運用益およそ月30万円で生計を立てている。ただしFXは定収入ではないので、いつどうなるかはわからない。

「妻からは社会保険や年金に加入できる会社に入り、ちゃんと働いてくれ!と言われていますが、私はコンサルとしてやれるところまでやってみようと考えています」

 そう話すEさんだが、実はコンサルとしてまだ1円も稼げていない。

 Eさんには、定年退職せずに雇用延長で元の会社で働き続けるという選択肢もあった。しかし、年収はピーク時の1000万円から300万円まで下がると言われたので、会社を辞めたことは後悔していないという。

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