シアリスは4錠5808円で販売 ED薬が市販化されても男性が頼ろうとしない切実な事情
自覚者の35%が「相手に求めることが恥ずかしい」
シアリスの市販薬化でED問題は改善に向かうのか。
「EDをめぐる男性の意識は、海外に比べると極めて特殊ですからね」
性に関する相談窓口「せい相談所」代表のキム・ミョンガン氏は、こう前置きして続ける。
「日本の男性は、セックスを1回失敗しただけで『自尊心が傷ついた』と思って、妻や彼女からの性的な要求を拒否しがちになります。確かに性的な経験が未熟なうちは、パートナーからのちょっとした刺激で“暴発”したり、逆に中高年で疲れていると“中折れ”したりして完遂できず、ショックを受けるかもしれません。しかし、そういう失敗を乗り越えないと、妻や彼女との関係は深められないのに、日本のED男性はその努力を怠り、EDをタテにして妻や彼女からの要求をかわそうとします。自尊心を守るための“材料”にEDを利用しているのです。バイアグラが99年に発売されて27年が経つのに、ED薬があまり売れないのは、男性側に女性側との関係再構築の視点がないためなのです」
エスエス製薬の調査でも、男性にとってEDのイメージは「自尊心を損なわれるもの」が33%でトップ。EDを自覚する人と自覚していない人に分けて「パートナーとの性交渉に対する気持ち」を質問すると、「性交渉したいと思わない」「パートナーが嫌がっていると感じる」「性交渉を求めることが恥ずかしい」はいずれも自覚している人が20ポイント近く、自覚していない人を上回る。中でも「性交渉を求めることが恥ずかしい」は34.6%に上った。
しかも「EDについてパートナーに相談したいと思ったことがある」はわずか23.5%にとどまっている。男性が自分勝手に傷つき、自分を守ろうとしてパートナーとの性交渉を避けようとする気持ちが透ける。キム氏の指摘通りだ。
「欧米では、女性からの性的な要求を数カ月拒否した男性は、離婚や関係解消を求められます。日本では、一部の女性を除いてそれがありません。だから日本のED男性はEDへの危機感がなく、自分の都合よくEDを関係を拒否するための交渉材料にするのです。『EDだからできない』と。“妻だけED”という言葉が生まれたのは、その象徴。性欲が湧く女性との関係に薬を使うと、効果を発揮しますが、性欲が湧かない女性との関係で薬を使っても効果はイマイチ。ED男性は妻や彼女との性交渉を拒否しているうちに、そもそも相手への性欲を失ってしまうのです。その点で『週末ゲンダイ』にある連載『止まり木ブルース』の主人公・健坊は、予定がある夜は酒を控えてED薬を飲み、女性との夜を楽しむ。健坊こそED男性のかがみです」(キム氏)
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