伊藤博敏
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伊藤博敏ジャーナリスト

1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。数多くの週刊誌、月刊誌のほか、現代ビジネスなどウェブニュースサイトにも寄稿。主な著書に「許永中『追跡15年』全データ」(小学館文庫)、「『カネ儲け』至上主義が陥った『罠』」(講談社+α文庫)、「金融偽装─米国発金融テクニックの崩壊」(講談社)、「黒幕」(小学館)などがある。

ウーバーイーツによる事故と会社の対応ぶりに驚かされる

公開日: 更新日:

「配達員は外国籍で日本語が通じません。そこでサポートセンターに連絡するんですが、つながらない。2時間かけて調べ上げ、ようやく本社の電話番号にかけると、『担当から連絡させます』と、返事があり、連絡があったのはそれから2~3時間後。それも『保険会社に連絡させる』という伝言だけでした」

 不誠実な対応は、その後も続き、保険会社は「示談交渉はしない」といい、配達員についた弁護士からの連絡も途絶えた。

 こうした対応の一因は「配達員」は、ウーバーの雇った労働者ではなく「個人事業主」という位置付けだからだ。ウーバーが提供しているのは、レストランと配達員をつなぐアプリ。配達員は配達して配送料を受け取る個人事業主なので、ウーバーにとっては顧客。その“屁理屈”で、労働者と認めずユニオンとの交渉に応じない。従って、衝突、転倒といった事故に遭ったとしても、上限25万円の見舞金が出るだけ。しかも、支払い基準はかなり厳格だ。

 ホームページから連絡先(電話番号はどこにも記載されていない)を探り当て、交渉に入るのが大変なのは取材も同じ。筆者は、今回、「事故対応しないのはなぜか」という基本的な疑問を、電話とメールで繰り返したが、窓口となっている広告代理店からの返事は、一切ない。ニューノーマルを担う企業としての社会的責任を果たしているとは、とてもいえない。

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