ウーバーイーツによる事故と会社の対応ぶりに驚かされる
驚かされたのは、米国を本拠地とするウーバーという巨大プラットフォーマーの事故対応の悪さである。会見の場にいた被害女性は、東京・品川の路上で歩道を歩いていて、高速走行の自転車配達員と正面衝突。すぐに救急車で搬送され、目に傷を負い、むち打ち症と診断され、手術も受けた。同席した女性の夫が言う。
「配達員は外国籍で日本語が通じません。そこでサポートセンターに連絡するんですが、つながらない。2時間かけて調べ上げ、ようやく本社の電話番号にかけると、『担当から連絡させます』と、返事があり、連絡があったのはそれから2~3時間後。それも『保険会社に連絡させる』という伝言だけでした」
不誠実な対応は、その後も続き、保険会社は「示談交渉はしない」といい、配達員についた弁護士からの連絡も途絶えた。
こうした対応の一因は「配達員」は、ウーバーの雇った労働者ではなく「個人事業主」という位置付けだからだ。ウーバーが提供しているのは、レストランと配達員をつなぐアプリ。配達員は配達して配送料を受け取る個人事業主なので、ウーバーにとっては顧客。その“屁理屈”で、労働者と認めずユニオンとの交渉に応じない。従って、衝突、転倒といった事故に遭ったとしても、上限25万円の見舞金が出るだけ。しかも、支払い基準はかなり厳格だ。