ウーバーイーツによる事故と会社の対応ぶりに驚かされる
「配達員は外国籍で日本語が通じません。そこでサポートセンターに連絡するんですが、つながらない。2時間かけて調べ上げ、ようやく本社の電話番号にかけると、『担当から連絡させます』と、返事があり、連絡があったのはそれから2~3時間後。それも『保険会社に連絡させる』という伝言だけでした」
不誠実な対応は、その後も続き、保険会社は「示談交渉はしない」といい、配達員についた弁護士からの連絡も途絶えた。
こうした対応の一因は「配達員」は、ウーバーの雇った労働者ではなく「個人事業主」という位置付けだからだ。ウーバーが提供しているのは、レストランと配達員をつなぐアプリ。配達員は配達して配送料を受け取る個人事業主なので、ウーバーにとっては顧客。その“屁理屈”で、労働者と認めずユニオンとの交渉に応じない。従って、衝突、転倒といった事故に遭ったとしても、上限25万円の見舞金が出るだけ。しかも、支払い基準はかなり厳格だ。
ホームページから連絡先(電話番号はどこにも記載されていない)を探り当て、交渉に入るのが大変なのは取材も同じ。筆者は、今回、「事故対応しないのはなぜか」という基本的な疑問を、電話とメールで繰り返したが、窓口となっている広告代理店からの返事は、一切ない。ニューノーマルを担う企業としての社会的責任を果たしているとは、とてもいえない。