衝撃走った東芝株の「スピンオフ」発表 今後の株価はどうなる?
経営再建中の東芝が会社を3分割し、それぞれが独立した上場企業になる「スピンオフ」を発表した。この“大改革”は評価されるのか、株価はどうなるのか――。
計画によれば、各事業のうち発電やエネルギーなどを「インフラサービス会社」に、半導体やハードディスク駆動装置などを「デバイス会社」に振り分ける。現在の東芝は存続会社となり、キオクシアなど出資先企業を管理する「資産管理会社」となる。新設の2社は2023年度下期の上場を目指すという。
スピンオフは、17年の税制改革で可能になった事業再編の手法だが、日本企業は規模へのこだわりが強く、これまでの活用例は20年にカラオケ事業とフィットネス事業に分割したコシダカホールディングスのみだった。大企業のスピンオフは東芝が初めてとなる。
一般に、巨大な複合企業の場合、単体での時価総額が、各事業の価値の合計よりも割安になることが多い。この「コングロマリット・ディスカウント」を解消する狙いがスピンオフの背景にある。複合企業への批判が強い米国では、スピンオフは通常の経営戦略の一つであり、年間50件ほどのスピンオフが実施され、企業は環境変化に合わせて頻繁に事業を入れ替えている。くしくも、時を同じくしてゼネラル・エレクトリック(GE)が会社3分割を発表している。