住友化学「利益ゼロ」「配当金未定」の衝撃!トップは経団連会長、賃上げの行方は?
「物価高に負けない賃上げは企業の責務」──。こう繰り返してきた経団連の十倉会長は今ごろ、頭を抱えているのではないか。自身が会長を務める住友化学が1日、今年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正。当期利益が従来の1050億円の黒字からゼロになると発表したのだ。賃上げの“旗振り役”の足元で、まさかの暗雲が垂れこめている。
営業利益、当期利益がゼロになっただけでなく、これまで1株当たり12円としていた期末の配当金も、「未定」に修正した。業績悪化の要因は、石油化学製品や合成樹脂製品などで、価格転嫁が追いつかなかったことや、為替差益の減少などだ。
「利益ゼロ」「配当金未定」の衝撃発表に、住友化学の株価は敏感に反応。2日の終値は、前日から8.47%も下落した。値下がり率は東証3市場全体で第4位だった。
同社の十倉会長は経団連トップとして政府と一体になりながら会員企業に「物価に負けない賃上げ」を求めてきた。業績不振を理由に賃上げができなければ、まるで格好が付かない。同社に賃上げの検討状況を聞くと、次のように回答した。