新NISA大活況が招いた超円安の大誤算…再び1ドル150円台、口座増加で投資資金が海外シフト

公開日: 更新日:

 ドル円の為替相場が再び150円台に逆戻りだ。13日のニューヨーク市場で1ドル=150円台後半まで急落。昨年11月中旬以来、約3カ月ぶりの円安水準となった。

 財務省の神田財務官は14日、「最近の動きはかなり急速だ。経済にとって悪影響がある」と警戒感を示し、「必要があれば適切な対応をしていく」と口先介入で牽制してみせた。

 しかし、である。超円安を誘発してきた日米の金利差については、日銀が早ければ3月にも長年の異次元金融緩和政策を修正し、マイナス金利を解除する見通し。金利差縮小で今年は円高基調に転じると言われていたはずじゃなかったのか。

■「2.13」円暴落はブラックジョーク

「新NISAマネーが想定以上に米国など海外株式に向かい、円安を引き起こす一因となっています。2月13日は『NISAの日』でした。まさにその日に円が暴落とは、ブラックジョークですね」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)

 実は今年に入っての新たな円安材料が「新NISA」なのだ。株式投資や投資信託での売却益と配当を非課税とする「NISA」は、今年1月から期間が無期限になり、限度額も拡大。岸田政権が「貯蓄から投資へ」と大キャンペーンを行っていることもあり、NISA口座は急増。これがバブル後最高値更新中の株価押し上げ効果を生んでいる側面もあるのだが、一方で、日本総研の試算によれば、NISA口座の増加とともに投資資金が海外資産にシフトし、今後4年で最大で対ドル6円の円安圧力になるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー